【本紹介】『曇天に笑う』太陽のような主人公の魅力
皆さんこんにちは。
さなです。
学生時代から読んでいた漫画『曇天に笑う』シリーズが、遂に昨年完結しまして。
嬉しさ半分、寂しさ半分ではありますが、作品の良さをいろんな方に知ってほしくてブログにまとめました!
同志が増えるととっても嬉しいです。
目次
- 『曇天に笑う』とは
- ここがカッコイイ!主人公の魅力
- 曇天シリーズについて
『曇天に笑う』とは
滋賀県 琵琶湖を舞台とした歴史ファンタジーの漫画で、滋賀出身の漫画家 唐々煙さんの作品(地元愛感じますね)
アニメ化に続き舞台化、映画化までされた人気作です。
時は明治11年。
江戸から明治に移り変わり、侍の時代が終わりを告げた頃。新政府へ不満をもつ者達は増加し、犯罪は過激化していました。
脱獄者も後を絶たず、政府は琵琶湖の中央に脱獄不可の監獄、獄門処を建て、重犯罪者をそこに収容していました。
その犯罪者達と監獄の橋渡しを家業とする曇家の第14代当主が本作の主人公 曇天火(くもう てんか)です。
二人の弟 空丸(そらまる)、宙太郎(ちゅうたろう)と琵琶湖周辺の治安維持をしながら生活する中、滋賀の空は常に曇天。
この曇天は300年に1度訪れる災厄、大蛇(おろち)が現れる予兆とされ、曇天は大蛇の出現が近いことを意味しています。
曇家の他、陰陽師で有名な阿部家も大蛇が現れることを阻止し、復活の度に封印をしている一方、大蛇の力を利用する為復活を望む勢力もおり、本作品ではこの2つの勢力間の私闘が描かれています。
ここがカッコイイ!主人公の魅力
作品の見所は多々あるものの、あまり言うとネタバレになるので…。
注目頂きたいのは主人公の人間性。
破天荒ながらも愛情溢れる魅力的なキャラクターですが、過去に両親が襲撃された際に自身も大怪我を負い、死ぬ間際まで追い込まれます。
しかし、両親を失ったことから幼かった弟達を守るべく政府が秘密裏に行っていた大蛇実験(大蛇の細胞を人体に入れることで身体を強化する実験)で延命。
身体が徐々に蝕まれている中、「痛い」も「つらい」も周りに一切言わず、常に笑顔で家族や町を守る姿がとてもカッコイイ主人公です。
しかし、大蛇細胞に心身共に侵されている状況から、これ以上は危険と判断。
天火は政府より処刑を言い渡されます。
弟を始め、その明るさから町の多くの人を照らし、尊敬されていた天火の処刑に多くの人が集まり、処刑を中断させようとします。
そんな中、処刑台に向かう天火が放った一言は「笑え!」の一言。
どんなに苦しい時でも笑顔で応えてきた彼の生き方が詰まった一言です。
死に際にその人の人間性が出るとはよく言われますが、そんな一言を残せる彼だからこそ感じる魅力は、この作品の真髄なのではないでしょうか。
太陽のように町を照らしてきた彼だからこそ、多くの人が突き動かされて処刑場に集まったのだと思うと胸が熱くなりますね。
曇天シリーズについて
今回紹介した『曇天に笑う』はシリーズ化されており、その他に『曇天に笑う 外伝』、『煉獄に笑う』、『泡沫に笑う』があります。
『曇天に笑う 外伝』は先に紹介した作品のその後を描いた作品で、私闘を終えた各メンバー達のその後を記しています。
一方、『煉獄に笑う』は曇天に笑うよりも300年ほど前の時系列となっており、大蛇復活に関する激闘の中、石田三成と曇家八代目当主らを中心に様々な戦国武将が登場する作品なので、この辺の歴史が好きな方々は特に楽しめる時代背景です。
『泡沫に笑う』では各作品に共通で登場する女鬼と、輪廻転生し続ける一人の男性の愛を描いた物語です。
全作品を通しで見たからこそわかる設定となっていますので、外伝含めた全作品を読んでから手を付けるのをおすすめします。
一作目の主人公、曇天火の魅力を中心に紹介しましたが、どの作品も読みごたえある物語なので、ぜひ全作品読んで欲しいシリーズです。